漢方療法について

漢方療法とは


漢方薬は、病名で選択するのではなく、病の原因である生体の陰陽の歪み(以後、「生体の歪み」に省略)から生じます種々の症候を、3診(問診、望診、聞診)により弁証して、治法治則に基づいて選択します。        
(サイトに表示されております「中医学について」をご参照ください)

そして、選択した漢方薬(方剤)が、傷寒論・金匱要略方論の解説における方剤と症候(証)と一致するか(方証一致)を確認します。        
(サイトに表示されております「傷寒論・金匱要略方論について」をご参照ください)

と同時に、宇宙の気の影響を受ける五行に準じて、食養生、生活環境などの歪みを、お客様ご自身により矯正するご努力をされることが必要になる場合もあります。

 また、一種類の漢方薬のみならず、症候(証)により2種類以上の合方や、生薬との加味方を必要とする場合もあります。また、治療の経過中に治療を強化するために、また症状の変化に対応するために治療を若干変更する必要が生じることもあります。     
このような場合には、お客様のご了承を得てから対処することにしております。    

 上記のような弁証により、当薬局管理薬剤師の山が責任を以って、如何に最良の治法を施すかを常に考え、持てる能力とエネルギーを傾注して、お客様からのご相談に対応致しますが、選択された漢方薬が治すと考えるより、お客様ご自身が、生体の歪みの原因である食生活や生活環境などを、五行に基づいて矯正されるご努力も必要になる場合もあることから、お客様ご自身が治そうとするご意志が大切であり、漢方薬は、そのご意志を有効にサポートすると考えるべきであります。


漢方薬はなぜ効くのですか?


私たちの生活環境は、四季の移り変わり・気候の変化などの天空の影響、社会環境、食生活の乱れから生じる栄養のアンバランスや、生活習慣の乱れ、外界からのウイルス・細菌感染などのあらゆる可能性に晒されながらの環境となっています。
 病気の大半は、これらの環境が影響することから生じます生体の歪みや、生体内の活性酸素(フリーラジカル)の産生から生じる生体機能の変化が関係するとされ、この生体機能の変化は、遺伝的要素にも左右されます。  

 故に、以上のような状況に対して、漢方治療に際しては、種々の
生体の歪みから生じる症状(証)を詳しく漢方独自の弁証により分析して、どの漢方薬を使うかを選定します。        また、同時に病の原因を誘発する生体内の活性酸素を消去する努力も必要であります。
 これらの対応により、遺伝的要因も極力抑えられて、しかも生まれながらに備わっている病気に打ち勝つ力である自然治癒力を高めて健康を維持・回復することができます。

 漢方薬による
生体の歪みを矯正する方法は、その人の歪みの原因と状態によってそれぞれ異なります。故に、ある人に奏効した漢方薬が、訴えられる症状がよく似ているからと言って他の人にも効くという事は断定はできません。
 故に、漢方療法は人によりオーダーメイド療法でなければなりません。 

 また、病の状態でも無いけれども、訴えられる症状がある人は、その症状を誘発する原因である生体の歪みを漢方療法により矯正したり、生体内の活性酸素を消去する努力や、栄養のアンバランスを矯正するなどの努力によりまして、すぐれなかった体調が改善され、健康を維持できるようにもって行くことができます。
 
生体内活性酸素の説明につきましては、「健生堂コラム」をご参照ください。


漢方薬は長く飲まないと効かないのでは?


一般に、漢方薬は訴えられる症状を分析して、治法を決定して用いますが、元来体質的に虚弱であったり、また、慢性病で免疫力低下や臓腑の機能低下がある場合にも、その虚弱や機能低下を改善する目的でも用いますが、この場合には、漢方薬の使用は長期になります。
 一方、例えば、中医学でいう外感熱病に属するカゼやインフルエンザ・ノロウイルスによる感染性胃腸炎などのウイルス感染が主体の急性のものや、咽痛を伴うカゼ・インフルエンザの経過で、咳・痰がひどくなり、とくに夜寝てから温まると痰を伴う咳がひどくなるような気管支炎で、漢方では、この状態を結胸といいますが、この状態で、未だ肺炎球菌などの二次感染を伴う肺炎に至っていないような場合には、漢方薬ですこぶる早く改善がみられます。
 即ち、漢方薬療法は、気血のめぐりを改善し、免疫力を高めて、感染ウイルスと闘う抵抗力を増す結果、土台から治すもので、市販薬のように、咳が出れば咳止め薬、下痢があれば下痢止め薬、痰が出れば去痰薬のような一時的に症状を押え込む対症療法ではありません。 
 従いまして、漢方薬は、対応する病によって、長期に用いなければならない場合もあり、短期にすこぶる効果を発揮する場合もあります。


漢方薬の効果的な飲み方は?


漢方薬は、基本的には食前、または食間に飲む事が前提であり、食前1時間前、または食後2時間位後にお湯で服用するのが基本であります。しかし、胃腸の調子が良くない場合には食後に飲み、そして胃の調子がよくなったら食前、または食間の服用に切り替える方法を取る場合もあります。
 食前、または食間の服用は、空腹時の場合の方が吸収がよく、効き目が期待できるからであります。 
 また、熱証の症状を呈する場合や、胃に炎症を伴う場合には、水で服用することもあります。


漢方薬が飲みにくい場合は?


☆ お湯に溶かして服用する。
☆ 袋オブラートで包んでお湯で飲む。
  などの方法があります。 

また、最近では、イチゴ味やコーヒ味など甘味のゼリー状のオブラートが市販されていて、適当な容器に入れ、その中に漢方薬を入れて混ぜ、スプーンですくって呑む方法もあります。


漢方薬の副作用について


漢方薬は、証が合えば陰陽の歪みが矯正され、気血のめぐりが改善され、免疫能を高めて元から治すものでありますが、証が異なる以下の様な場合には、効果が出なかったり、逆に副作用が出る可能性が高まります。

虚証に対して 実証に用いる漢方薬の使用
実証に対して 虚証に用いる漢方薬の使用
寒証に対して 熱証に用いる漢方薬の使用
熱証に対して 寒証に用いる漢方薬の使用

故に漢方薬の選定には、充分な相談時間を掛けた正確な弁証が必要であり、漢方相談薬局などの専門店でのご購入をお薦めします。


漢方薬と、民間薬の違いについて


よく知られております「どくだみ」「柿の葉」「げんのしょうこ」などは「民間薬」に属し、これらの民間薬を用いて、経験に基づいて伝承されたものを「民間療法」と呼ばれ、漢方療法とは区別されます。「漢方薬」は、漢方理論に基づいて4000年の歴史の臨床経験のもとに確立されたもので、数種類の生薬を、それぞれの絶妙な分量で組み合わせたものを言います。


漢方薬と他の薬との飲み合わせについて


☆ 漢方薬とピルの併用

ピルは、効力を確実に維持させるために、瀉下薬(下剤)を服用する場合は4時間以上間隔を空けるとされ、また一方、ピルにより血栓を誘発し易い傾向がありますので、止血剤との併用も要注意となります。故に、止血作用や、瀉下作用のある漢方薬との併用も要注意となります。 

☆ 漢方薬と西洋薬との併用
漢方薬と西洋薬(新薬)との併用は、それぞれの短所や長所を補ってより効果が期待できる場合が多いですが、西洋薬の中には、漢方薬の中に含まれる生薬から抽出した成分を化学的に合成したものもあり、成分的に重複する場合があります。
故に、新たに漢方薬を服用される方は、現在服用中の西洋薬を、漢方相談の際に確認してもらうことが必要となります。 

 


たかやま健生堂薬局
〒880-0855
宮崎県宮崎市田代町70-7
TEL/FAX:0985-26-0784