健生堂コラム


生体の免疫の仕組みについて
生体の免疫の仕組みについて、以下に、数回に分けて記述してみたいと思います。

全身性免疫機構について
 私たちは、体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの異物を排除する免疫システムをもっています。この免疫システムを担うナイーブT 細胞、B 細胞、マクロファージ・好中球などの免疫細胞は胸腺や骨髄で作られます。ナイーブT 細胞とB 細胞はリンパ節や脾臓へ運ばれて待機し、マクロファージ・好中球は全身に散らばってパトロールをします。
 体内に抗原であるウイルスや細菌が侵入した場合、キラーT 細胞由来のマクロファージ活性化因子であるインターフェロンγが働いて、補体が活性化すると共に、B 細胞由来の免疫グロブリンであるIgG・IgM などが抗体として働き、補体を介して抗原であるウイルス、細菌を捕まえて抗原抗体複合体を形成します。マクロファージの場合は、異物(抗原)とIgG(免疫グロブリンG)抗体が補体と共に一緒になった免疫複合体を貪食し、好中球の場合は、異物(抗原)とIgM(免疫グロブリンM)抗体が補体と共に一緒になった免疫複合体を貪食し異物(抗原)を攻撃するとされていますが、以上の様なシステムで働く免疫システムを「全身性免疫」といいます。
 この貪食により、酸化還元酵素が働いて、酸素から活性酸素(フリーラジカル)が発生します。体内に侵入したウイルス、細菌は、この活性酸素(フリーラジカル)とマクロファージ・好中球内のリボゾームという酵素の共同作用により殺菌されます。


               H₂O₂ + O₂⁻ ―――>・OH + ⁻OH + O₂
                「O₂⁻ ・OH H₂O₂ が活性酸素(フリーラジカル)」


 抗原である細菌やウイルスが生体に侵入した場合には、マクロファージ・好中球が貪食し殺菌に働きますが、同時にマクロファージは抗原を表示して、その表示を感知したナイーブT 細胞は、種々のサイトカインを放出してTh1 細胞を活性化し、キラーT 細胞やNK細胞(ナチュラルキラー細胞)などの細胞性免疫を高め、またTh2細胞を活性化し、B 細胞より種々の免疫グロブリンを放出する、いわゆる体液性免疫を高めます。また、自己免疫疾患に関与するとされるTh17 細胞を活性化します。細胞性免疫体液性免疫は互いにバランス取りながら働くとされています。これらの免疫細胞の働きが過度に亢進した場合には、制御性T 細胞が働いて、その働きを抑制しバランスを取るように働くとされています。


                          独立行政法人 科学技術振興機構 提供

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